木谷梨子★のタンブラー

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…をした人の、とてもとてもとてもとても個人的なスクラップブックです。





近頃はあまり触らなくなりましたが、空間本棚も持っています。

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4月 17 '11

 人はアニバーサリーを大切にする。最近目にしたところでは松本清張や岡本太郎生誕100周年で、各所様々な特集を組んだけれど、ピアノの詩人ショパンの生誕200周年に関しては知っている人たちでアットホームに祝っている感じ。メディアが仕掛けるブームに心が疲れ気味の昨今、それは何ともほっとする、ありがたい温度だ。

 ショパンの音楽性がそうさせるのかもしれない。日常の空間にすっと流れる、まるで空気のようにきわめて自然に、勿論かけがえのない上質の自然さで。そばにいてくれる音楽。盛大にやるよりも、プライベートで聴くのが似合う。

 わりあい静かなショパンイヤーをささやかに記念して、とある地方都市の上映会は、小さめのホールで1934年制作の貴重なモノクロフィルムを流した。祖国ポーランドとの別離とパリ社交界デビュー、才女ジョルジュ・サンドやピアノの魔術師フランツ・リストとの邂逅。フレデリック・ショパンの半生を物語るに外せないエピソードをおさえながらも順不同で、その自在さに驚嘆する。耳によくなじんだ代表曲も、実際の作曲年代にこだわらずイマジネーションの奔流にまかせて登場させている。

 サンドの美貌と才気にすっかりのぼせあがってしまう、ショパン坊やが可愛い! しかし、それ以上にぐっと来るのが、ピアノを通して結ばれるリストとの絆である。まったくのファンタジーで、こんなことってないでしょうという突っ込みどころ満載なのにもかかわらず、天才同士の交流に胸が熱くなってしまう。ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない。ピアノ弾きを輝かせるのはピアノ弾き。才能を理解するのもまた才能であるということ、そこに夢がある。

 また、この映画の上で、ショパンがパリの初演中に迸らせた革命のエチュードは、斬新な視覚効果を伴って轟き、興奮に誘ってくれる。そう来たか! と古典映画がやってのける大胆さに目を瞠るばかりである。