
会社経営と家庭のストレスで薬に依存している兄のピエール、支配的で頑固なオバサン教師のクララ、アルコール漬けで家族にも見捨てられ一文無しの弟のクロード。互いを認めず険悪な仲の兄姉弟が、亡き母親の遺産を相続するため、フランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにも及ぶ巡礼路を一緒に歩くはめになった。
このツアーの同行者は、ベテラン・ガイドのギイ、楽しい山歩きと勘違いしてお気楽に参加したハイティーンの女の子達、エルザとカミーユ、カミーユを追って参加したアラブ系移民の少年サイッド、従兄弟であるサイッドにだまされてイスラムのメッカへ行けると信じ、二人分の旅費を苦しい家計から母親から捻出してもらったラムジィ、頭をターバンで包んだ物静かな女性マチルド。9人の男女が、様々な思いを胸に、フランスのル・ピュイから旅の一歩を踏み出した。
果てしなく続く岩山の道。文句タラタラ、さらには差別的な言葉を不用意にもらすピエール。自分の荷物は何一つ持参しないのに他人の水を遠慮なく飲んでしまう勝手なクロード。好戦的なクララは、そんな二人と何かにつけていがみ合う。
他のメンバーもそれぞれ事情を抱えている。「メッカ」に行き、旅の間に失読症を直して大好きな母親に喜んでもらいたい少年ラムジィ、わが子が病気と知りながらガイドの仕事を続けるギイ、過酷な運命の中で絶望と希望の狭間にいるマチルド…。
爽やかな風を全身で受け、ピレネーを越え、フランスからスペインへ。
一行はまっすぐ続く一本道を、急勾配の道を、天候に関係なくひたすら歩き続ける。それは、まさに人生のように長く起伏に富んだ道。1500kmもの徒歩の旅のゴールには、いったい何が待っているのだろう…?